監督2
2009.09.29
その他
モウリーニョ本を探しました。
見つけたので、前回の続きです。
『ジョゼ・モウリーニョ』 ルイス・ローレンス、ジョゼ・モウリーニョ 著
第二章 成就
選手には二つの約束をした。
まず一つは”質の高い練習”だ。私の練習を続ける限り、個人としても、チームとしても、必ず強くなれると話した。
もう一つの約束は、私自身が”率直になる”というものだった。(中略)私はチームを、外部の動きに影響されない、一つのまとまった集団にしたかった。チーム内での結束力を強めるのが一番大事と考えていたんだ。(中略)選手とコミュニケーションを取るのは監督の仕事なんだ。そのためには、こちらからオープンになって接する必要があった。
第五章 独占
その日、私はキャンプが始まって初めて、午後と夜を完全にフリーにしたんだ。ただし、夜の11時までに宿舎のホテルに戻ってくるように命じた。選手が出て行った姿は見なかったが、夜はアシスタントコーチたちとロビーに座って、彼らが戻ってくる様子を見ていた。 こんな場合、どのチームにも、罰金を覚悟で、門限を守らない連中がいるものなんだが、ポルトは例外だったようだね。
最初のグループを乗せたタクシーがホテルの玄関に着いたのは、11時までまだ20分もあった。そのあとは次々に選手たちがホテルへ戻ってきた。本当にびっくりしたよ。選手が時間どおりに帰ってきたからだけではない。全員がほぼ同じ時間に戻ってきたからだ。
ジョルジュ・コスタがそばを通りかかったから、私はこう訊いた。
「ジョルジュ、一体どうしたんだ?」
すると彼はこう答えた。
「みんな一緒にいたんですよ。僕たちは一つにまとまったいいグループなんです、ミステル。」
キャプテンからこんな言葉を聞かされた監督というのは本当に幸せだと思う。
このシーズン、モウリーニョが率いたFCポルトは、スーペル・リーガ、ポルトガルカップ、UEFAカップの三冠を達成し、その翌シーズンにはチャンピオンズリーグを制覇しました。