100%の定義

2008.09.18

その他

自社製品の商談を行っている際、当たり前ですが、機能や特徴について様々なご質問をお受けします。

また、カスタマイズや受託の場合、頭がどこかにスッ飛んでいったと錯覚するぐらい、詳細に仕様を詰めることがよくあります。

この際に、稀に使わせて頂くフレーズがあります。

「皆さんの要求に100%答えるシステムはない」と...

基幹業務システムの場合、顧客管理などの業務の入り口から財務会計までの出口まで、内容や機能が非常に多岐に渡りますが、名の如く業務の基幹となる為、データを正確且つ迅速に取り回し出来ることを第一の目的としているので、各業務毎のディテールはある意味切り捨てているからです。

もう少し正確に言いますと、各業務毎のディテールを切り捨てているというより、それだけ各業務毎にオペレーションや業務処理の角度が異なる為、全業務共通的な仕様が成り立たない為です。

しかし、各セクションの現場の皆さんにとっては、たすきに長し帯に短し的になるケースもありますので、何か物足りない、ピタッとこない的なところを感じられることも、よく理解しています。

そこで、今一度お考え頂くことは、逆説的に、

今まで各セクション毎に最適化されたシステムを利用されていたにも関わらず、どうしてシステム入替の検討をされているのかということです。

どうしても、自分が主に携わっている業務(木)に目がいきがちですが(私もそうです)、あえて森を見て頂くことをお願いしています。

そうして頂くと、自分の業務処理は現行システムで全く問題がなかったとしても、他部署受け渡しの為に、別途手計算や2次加工していた部分が浮かび上がり、それがなくなるということも加味して頂くと、結果的に業務効率(現場の皆さんの手間も省ける)の向上につながることを、客観的に納得頂けると考えています。

むろん、ベンダーには、《木も見て森も見る》視野が必須となります。

業務は現場の皆さんで成り立っているわけであり、現場の使い勝手を考慮しない発想は、システム屋的な発想でしかありません。

機能うんぬんをご確認頂く前に、業務フローのあり方からお話しさせて頂ける土壌こそが、

システム導入に最も必要で、これこそが、システム導入成功への一番の近道だと考えています。